ベットの上から

  • 2020.01.18 Saturday
  • 21:12

 

2017年の6月は暑い日が多かった。

インスタグラムの投稿は、屋台村のバミコdeあんなの写真に「珈琲かビールかそれが問題だ」とか書き込んでいる。29日に入院で30日に手術と決まっているのに、問題はそこだったのか。

 

 

 

バミコさんの店舗を昼間だけ借りてカフェをオープンしたばかり。

 

最初に検査に行ってからずっと心配してくれていたバミコの店主、バミちゃんは号泣。

イヤイヤ癌なのは私だからというくらい泣いて鼻をかんでいた。

 

それから「しばらくお休みします」と屋台村の方に事情を話した。

 

すると数日後・・・ひとり、またひとりと、

店主のみなさんが鶴を折って私の所に来てくれた。

 

 

 

なんと声をかけたらいいか、気持ちは複雑だったろう。ついこないだ入って来た、しかも昼だけのヤドカリ店主のような私に、ご自分の病気体験を話してくださったり、「元気になって早く戻っておいでよっ!」などとうれしい言葉をくださったり・・・有り難かった。

 

 

私と言えば平常心を装い、いつもと変わらず珈琲を淹れていた。

 

 

 

そろそろ旅行気分で準備をはじめる。

 

 

入院。

 

癌はステージ3だった。

 

 

 

お見舞いにといただいたお花模様の可愛いタオル。

 

マッサージの先生は、あの世からみたらこの世は神様が創ったゲームセンター、経験値あげて攻撃力アップして人生ゲームをクリア、そして天国へ帰還せよと教えてくれる雲黒斎氏の本を貸してくださった。


 

 

 

おかげで癌も母の孤独死もなんだゲームかと思えてゆっくり眠れた。

 

もう何も恐くない。

 

 

 

無事に手術が終わり、7月に入るとすっかり真夏。

窓側のベットの上で、日焼け止めクリーム塗って、リゾート気分で空を見ていた。

 

 

 

 

 

お見舞いにいただいたサリーズカップケーキ&クッキー。

可愛いスマイル見てるだけで癒される。

 

 

みなさん、ありがとうございました。

 

 

退院間近なある日、

引いたメッセージカードは「旅」。

新たな冒険!?

どおりで旅行気分だったわけだ。

 

 

変化にときめく旅はまだ続いている。

 

 

 

 

 

 

 

 乳がんのお話

「まるこちゃんと希林さんと」

http://anna-mama.net/?eid=26

 

 

命、預けます。

  • 2020.01.04 Saturday
  • 22:50

 

 

娘盛りを渡世に賭けた緋牡丹のお竜さんではないけれど、

命をどこに預けるか、考えたことはおありだろうか?

 

 

検査の結果が癌と出て、さてどうしたらいいものか。

病院に来てしまったら手術、抗がん剤、放射線療法の3点セットがお決まりのコースらしい。

 

ビタミン各種、蜂の巣きのこ葉っぱお茶、マッサージ、天然温泉、人参ジュース・・・etc。

心配して勧めてくれた人たちの気持ちはとてもうれしかった。

 

ほんとにそれで癌が消えちゃう人もいるのだろう。

けれど私にはどれが合うのかわからない。

人参ジュースで治るなら私だってそうしたい。

 

西洋だろうが東洋だろうが、プロでなければ治せはしないと思われた。

保険のきかない治療法は時間もかかるしお金もかかる。

 

少しの間悩んだが、西洋医学のお世話になると決めた。

 

かかるのならばこの病院と決めていたところの先生がまたいい先生だった。

貴女を乳がんから救ってあげたいという気持ちが伝わって来る。

 

覚悟を決めた。

 

この先生は苦しんでいる人の病気を治すためにどれほどお勉強したのだろう。

親御さんの支えもあって無事お医者さんになられたことだろう。

 

50代も半ばを過ぎるとどこへ行ってもだいたいみんな年下で、もちろんこの先生も年下だ。

情けないことにいつも自分のことだけで精一杯で、人様のために生きるなんて無理。若いのに偉いなーと思ったら、有り難くて有り難くて、先生のご先祖様にまで手を合わせたくなった。

 

 

検査、検査にひと月近くかかり、6月末に手術と決まった。

 

 

退院して夏にバミコdeあんなを再開。

しばらくすると、まり食堂のまりさんが、ひょっこりやって来た。

 

「香ちゃん! これ、これがいいよ。自分で足もんで!590円だから!」

術後も再発防止のために、人参か温泉かで悩んでいた私に一冊の本を貸してくれた。

 

『足もみで心も体も超健康になる!』

 

注目は102ページ。

(熱心に足をもむ人たちの癌の再発率が現在までで0%です)と、言い切っていた。

そんなこと書いていいの?

0%!

 

すぐに足もみ、はじめました。

 

 

 

 

長い文章になりました。

でも、ここからがあなたに読んでいただきたい本題、命のお話。

 

心臓が止まりそうになって自分で救急車呼んで一命を取り留めた40代女子とか、原因不明のめまいで日常生活もたいへんな主婦とか、このままいったら透析になりそうでヤバいのとか、息子が鬱で困ったもんだとか、血圧異常に高いだの、糖尿さーとか、なんと病人の多いことでしょう、私の周り。

 

配ったよね590円、すごいから足もみ。

 

持病は治らないって決めつけてたりするけれど、

少しでも良くなると信じて、自分の体を労って欲しい。

騙されたと思ってやってみて欲しい。

 

早速効果があったのか?

私は放射線治療をしないで済んだ。

 

先生もそれはいいと思いますよ、続けてくださいと。

 

 

 

 

 

 

おまけに思わぬ効果、あんよのセルライトが消えて、うそっ、スッキリ!

 

オススメです。

 

 

 

 

 

お正月、昭和なヤクザ映画でも観たいなと思ってググったら、緋牡丹のお竜さん、

タイトルは「緋牡丹博徒 お命戴きます」だった。

 

命って、狙われたり、預けたり、なかなか管理が難しい。

どこに任せていいものかしっかり自分で把握しておかないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三度目の年越し

  • 2019.12.30 Monday
  • 23:38

 

 

駆け抜けたのか、流されたのか、2019年ももうすぐ暮れようとしている。

 

一年だけを振り返るつもりが、

あれから何年経つんだろうかと指折り記憶を遡る。

 

一昨年の出来事だった。

 

 

気になっていた胸のしこりの正体を暴いてもらおうと、

いや、以前の検査で「これは癌ではありませんよ」と言われた検査結果の再確認をするつもりで病院に行った。

 

「癌ではないと言ったでしょう」と言われてすぐ帰るはずが、

あろうことか「細胞を採って検査させてください」医師はそう言った。

 

 

考えないように考えないように、

乳がんだったらどうしようなんて考えないように。

検査の結果が出るまで長い1週間を過ごした。

 

丁度ひと月前から復活オープンしていたカフェあんな「バミコdeあんな」という屋台村の居場所が支えだった。

 

 

忘れもしない2017年5月29日。

 

検査の結果を聞きに行く日、夕方までいつものようにお店を開けて珈琲を淹れていた。

 

何を考えていたんだろう?

もう何も考えていなかったのだろうか?

病院に行く時間がせまって来る。

なのにまだ覚悟は出来ていなかった。

 

 

 

お客さんが帰ってしまって誰もいなくなった屋台に陽気なスマホの着信音が鳴った。

 

育ててくれた母の親戚で従兄弟のお嫁さんからの電話だった。めずらしい。

育ててくれた母とは、父の2番目の嫁で、2歳頃から中学2年まで育ててくれた人だ。

私は彼女をママと呼び、高校二年でさっちゃんが現れるまで本当の母親だと思っていた。

 

理由あって数年前から縁が切れてしまっていたが、私にとってはやはり母で。

もう80歳を越えているはずである。

父と別れてから家族をもたず子どももいない。

 

独りで暮らしていたからそろそろ病院かどこかの施設のお世話になるお話かと思った。

もしもそうなったときには知らせて欲しい、少しでも何かお手伝いさせて欲しいと伝えてあったから電話をくれたのだと。

 

 

「香ちゃん、マーおばさん、死んでたんだからー」

 

お久しぶりのご挨拶もそこそこに、

何を言っているのか、言われたのか、すぐには理解できなかった。

 

 

孤独死?

 

 

 

 

 

 

どうやって運転して行ったのか、気づいたら病院にいた。

 

医師は検査の結果を、なるべく私が衝撃を受けないように優しく気の毒そうに説明してくれた。

 

「癌かそうじゃないかと言われれば、5段階の3あたりで、どうも疑わしいといいますか、これ以上はうちの病院ではなんとも・・・」

 

 

わかった、わかった、はい、癌ね。

 

センセイワタシイマソレドコロジャナイノデ

 

口には出さないが頭の中はもう癌どころじゃなかった。

 

 

 

ママが死んでた。

 

 

 

「わかりました。大きい病院に行きますからいいです」

 

 

 

 

 

 


海老蔵さんの奥様の闘病生活がテレビで頻繁に放映されているときだった。

 

ママが乳がんの恐怖を全部あの世へ持って行ってくれた。

 

 

 

 

あれから三度目の年越しである。

 

はじまり

  • 2019.12.15 Sunday
  • 22:29

 

ん?

 

なんじゃこりゃ!

 

何の気なしに触れた右の胸にしこりがあった。

え、何?

こんなのあったっけ?

 


すっかり忘れていたけれど、36歳のとき子宮頸癌を患っている。

幸いにもお医者様も驚くほどの初期発見で、切って取って終わりで済んだが、

癌と名のつく病いになってはじめて、

明日があるって当たり前じゃないんだと知った。

 

煙草プカプカ、ライトのショップを1日30本も吸いながら、

どこかで癌に怯えていたのだろうか。

人間ドックや乳がん検診は受けていた。

あなたの身体の自分じゃ見えない所、大丈夫でしたよ、異常なし! と言われると安心だから。

 

7年前には煙草もやめた。

 

なのに、なんじゃこりゃ?

 

病院に飛んで行った。

 

「先生、なんか胸にしこりみたいなのがあるんですけど・・・」

今にも泣きそうである。

 

どんな検査をしたかされたか覚えていないが、触診が終わると

「うん、これは癌じゃないから大丈夫」

断言だった。

 

おまけのように

「まぁどうしても気になるようなら半年後くらいに・・・」

もう最後の言葉は聞こえていない。

 

 

癌じゃない、違った良かった癌じゃない、癌じゃなかったほんと良かった。

 

 

 

 

 

 

けれどしこりは消えていない。

 

 

 

 

半年後、まだしこりはあるけれど、癌じゃないんだからまぁいいか。

 

 

 

 

 

1年と数ヶ月、やっぱりしこりが気になるよなぁ。

癌じゃないって言われたから大丈夫なんだけど、

もっかい違うって言われに、再確認に行こうかな。

 

 

大丈夫。

いやぁでもなぁ。

大丈夫。

だけどやっぱり・・・

 

 

意を決して病院に行った。

「いや、だからこれは癌じゃないって言ったでしょ、大丈夫、癌じゃないから」

そう言われるはずだった。

 

 

 

 

 

 

「んーこれはー・・・細胞、採らせてらください」

4番に○がついた。

 

 

 

2017年5月22日

屋台村のバミコさんにご縁をいただき、

「バミコdeあんな」として、カフェあんな復活して1ヶ月目のことだった。

 

 

 

定期検診

  • 2019.12.03 Tuesday
  • 00:03

 

 今まで、ほとんど書いてこなかったけれど、ここのブログを始める数ヶ月前、

右の胸にあったしこりが気になり病院へ行った。

 

ステージ3の乳がんだった。

 

 

手術を受けてから二年半。今日は三月に一度の定期検診。

 

 

エコー検査の結果待ち。

ふだんは心配などしていないのに、「もしも」が一瞬頭をよぎり、

考えまいとすると尚更しつこく頭の中から離れない。

 

仕方がないので腹をくくり、

そうだったらそうだったときだ!

 

 

そんなことをボォーッと考えていたら、

どこからともなく心地のいいピアノとバイオリンの音色が聴こえて来た。

 

 

なんとうれしい、病院のロビーでコンサート。

スタンダードなナンバーで、大好きな曲ばかりなのに、

ひとつもタイトルが思い出せないやるせなさ。

 

 

 

 

 

それにしても生演奏なんて久しぶり!

音楽や芸術にふれる心のゆとりもない日々だったんだなと改めて思う。

 

 

 

診察の予約時間まで、院内のカフェでコーヒータイム。

窓ガラス越しでぼんやりしてるけど、市電が停まっています。

 

 

 

 

 

検査の結果は問題なくて、他の数値も心配ないと。

三ヶ月分のお薬もらって帰って来ました。

 

 

 

 

術後、間もなくブログをはじめたのは、

書きたいことがいろいろあったのに、そのうちそのうちと思うだけだった自分に、

明日がずっーと永遠に続くわけではないのだと思い知らされたからかもしれない。

 

ブログは開設したけれど、何も書けない日々を過ごした。

 

 

辛かった。

 

 

二年半の間のことは、

記憶に残したくなくて、日記も書かず使ったモノはその都度ほとんど捨てて来た。

残っているのはお薬手帳の記録だけ。

 

思い出したくもないから、ウイッグも帽子もすぐ処分した。

 

 

だけど、なんだかせっかくの貴重な体験、

私の人生の大事な時間だったかもしれない。

 

ようやくそう思えるようになった。

 

 

これから少しづつ綴っていこうかな。

傷みも不安もそのままに。

 

 

私はきっともう大丈夫だから。

 

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