娘よ

  • 2020.02.23 Sunday
  • 11:24

 

 

何がおしりセレブだ。

 


 

 

 

 

「お母さん、部屋の掃除しに来てー」

娘からSOSの電話が入ったのは木曜の夜。

 

 

働き方だけ改革されて、仕事の量は改革されず、

おまけに流行りのウイルスのせいで受注してしまったモノが入らず、

確認ミスということでめっちゃ怒られたとしょげかえっている。

 

おまけに部屋も汚いしだと。

 

そーゆーものまでメイドインチャイナだったとはお気の毒。

 

 

そうかいそうかいよしよしと、

母は遥々高速バスに揺られて娘の暮らす町に来た。

 

 

どれだけ酷い散らかりようかと思ったが、

予想は超えていなかった。

 

どんな事情か不思議なことにおしりセレブは部屋に転がってたけど。

 

 

早速片付けに取り掛かる。

まあ今夜は流しに溜まった洗い物くらい。

 

 

あのね、お嬢ちゃん、

顔だけ綺麗に塗りたくり、

トイレットペーパーがセレブでも、

散らかり放題のお部屋ではブスい女に成り下がりるでしょ。

 

見えないところが大事です。

心が貧しくてはいけません。

 

わかってる、わかってるはず。

できないときもあるしね。

 

 

一夜が明けて天皇陛下のお誕生日。

 

 

日曜日もお仕事で、起きてきたかと思ったら15分で出かけて行った。

さっとお化粧はして行ったけど、はたして顔は洗ったのだろうか。

 

 

さてと母は掃除の続きを始める。

 

キッチン、トイレ、バスルーム。

レンジの中、冷蔵庫の中身、洗濯機の中、洗面台・・・

 

よくもここまで放っておいたなこの汚れと思ったが、

見たい親の顔はこの私。

 

ほとんど放置してたのによくぞ育ってくれました。

 

汚れるってことは生きてるってことだ。

有り難い有り難い。


 

 

だんだん楽しくなって来て、

世界一清潔な空港、羽田のお掃除のプロ、新津春子さんになったような気分だ。

 

 

 

 

とか、思っていたら!

 

 

 

 

 

 

テーブルの下から出て来た本。

「私、息してる?」

 

 

 

 

 

もう一冊。

「死ぬくらいなら会社辞めれば←ができない理由」

 

 

ちょっとちょっと!

 

 

 

頑張らなくていいからね。

しなくていい我慢もあるんだよ。

 

 

 

 

 

 

夜は二人で鍋をつついた。

好きなジャニーズのお話しもたっぷり聞いて。

 

あんな若いのに努力ハンパないそうだ。

彼らがいるから頑張れるのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

娘よ。

 

一度きりの人生。

二度と戻らぬ時間。

悔いの無いように。

 

 

 

 

 

まずはトイレの掃除から!

 

おしりからセレブになれるかもしれないよ。

 

チコちゃんに聞いてみたい

  • 2020.01.09 Thursday
  • 07:19

 

「ねえねえ、おかむらー」

「結婚してる人のお話だけどね、夫は妻のこと、妻は夫のこと、配偶者って言うわよね、書類に書くときとか」

「あれ、どして配偶者って言うの?」

 

唐突ですが、配偶者って意味、語源、ご存知でありましょうか?

 

「神様が配っている相手に偶然出会ってしまった者たちのこと」と答えたら、

「ボォーっと生きてんじゃねえよー!」

と叱られるだろうか。

 

夫婦。

 

銀婚式を目の前にして離婚寸前の夫婦とか、ご主人の定年後に夫源病に悩まされてる友人とか、今流行の卒婚だと決め込んで一人暮らしを謳歌している還暦女とか、ほんとに仲良しな夫婦とか。

その形は様々だ。

 

多くの人にとって理想の夫婦のお手本は親だろうか。

 

父がひとりに母4人、そんな私にはもうひと組みの親がいた。

正確には伯父と伯母なのだが、子どもの頃から「おとうちゃん、おかあちゃん」と呼び、可愛がってもらって育った。

 

二人とも大正生まれのその夫婦、伯母はまるでサザエさんのような人だった。

ほうれん草を茹ででいて鍋を焦がすなんて毎度のことで、昔のアルミの鍋はすぐ穴があいた。いや、穴があくほどよく焦がす。伯母の台所には鍋のふたばかりたくさんあった。

 

従姉妹の家の電話に残っていた留守番電話の録音は最高傑作で、「ただいま、留守にしております」と言うテープの音声のお姉さんに「あらーそうですか、わたし母親なんですけど、うちの娘、どこいったんだかわりませんか?」って、いつもの浜の訛を精一杯隠して、よそ行きの声で聞いていた。

 

伯父は酒好きな海の男と言った感じで、素面のときは「おぉ」とか「ん」とか以外、ほとんど喋らない人だった。が、伯母に「うるせーな」と言っているのはよく聞いた。

 

「お父ちゃん、ん、美味しいかい?」 

「しょっぱい?」

「なんどもない?」

「醤油かけるかい?」

「水飲む?」

「まだ食べるしょ?」

「美味しい?」 

「美味しくない?」

 

ご飯を食べている伯父の横にべったり座って、一人でずっと喋ってる。

一杯機嫌でもくもくと黙って食べていた伯父の返事はまた傑作で、

 

 

※このあとの文章はセンシティブな内容が含まれる文章です。ご注意ください!

 

 

 

 

 

 

「おんや、うるせいじゃ。食ったもの、糞になるまで聞いてる。黙って食わせねえか」

「なんもだや、美味しいかいって聞いただけでしょや。もうなんも作んないや!」

 

漫画のような実話である。

いつも喧嘩ばかりしていたが、仲良しだった。

 


 

 

 

 

 

 

 

思い出し笑いでなんの話を書いていたのか忘れてしまった。

 

 

 

 

そうそう、配偶者。

チコちゃん、答え知ってるだろうか?

 

 

 

残りの人生の時間をどう過ごそうか、考えた時、その存在との関係はどんな形がお互いの幸せだろう?

 

 

 

さっちゃん

  • 2019.12.23 Monday
  • 23:12

 

その人にはじめて会ったのは高校二年の初夏だったろうか。

 

我が子を置いて行ってしまうような人になんか会いたくないよとツッパってはみたものの、

泣いてあんたに会いたがってるとしつこく言われ続け、仕方あるまい会ってやらぬでもないよ、と。

 

後のことはよく憶えていない。

 

周りの人はみな彼女を「さっちゃん」と呼んだ。

だから私も「さっちゃん」と呼んだ。

 

 

月日は流れ歳を取る。

 

 

「あーもしもし、ちょっと、あんた明日、家にいるかい? 

荷物送るからさ。ウニ食べる? 数の子は?

え、食べないの? いくらは好きっしょ、入れてやっからね」

 

 

さっちゃんから荷物が届いた。

 

 

すんごい重い。

 

ガムテープの貼り方がそっくりだ。

DNAの仕業なのか?

変なところに関心しつつ

開いて中を見てみると、

 

あ、なんか書いてる。

なんだ?

 

 

助子 これやいてたべること

 

塩 ほど良く とてもおいしい

もらったホッケ

馬場さんから

 

馬場さんて誰だ?

 

 

 

 

 

記憶にはないさっちゃんの背中。

 

 

乳がんの術後、抗がん剤で身も心も弱ってた私に、

「あんたを産んだばっかりに、苦労させたね、すまないね」

と。

 

流れた月日を振り返る。

 

「なにゆってんの、楽しいこともたくさんあったし、いろんな人に良くしてもらって、

わたしは幸せだよ、

これからだって、まだまだどんな楽しいことがあるかわかんないしょ。

産んでくれてありがとうだよ」

 

「それよりこっちこそごめんねだわ、いい歳してまだ心配ばっかりかけてさぁ」

 

 

 

 

 

食べないって言ったのに数の子が入ってた。

シャケは焼いてある。

 

 

 

ハンバーグには名前がついていた。

 

 

 

 

思い出のメロディ

  • 2019.12.21 Saturday
  • 16:28

 

無料のアプリで好きな音楽聴き放題。

iPhoneあれば何も要らぬと教えられ、

引っ越しの時、断腸の思いでステレオとレコードを処分して来た。

 

四半世紀、いやもっと暮らした街を離れ、久しぶりの都会生活。

しばらくは音を楽しむ余裕もない日々が続いたが、ようやくテレビを消して音楽でも聴こうかしらという気分にまでなれた。

 

 

 

2019年、師走も半ば。

冬至を前に、来春の節分までで終わりとなる我が人生の空亡のとき。

最後の仕上げにお片づけ。捨てても捨てても増えるモノたち。

 

 

iPhoneからは私好みの音楽が流れてくる。

All Out 60s♪

 

 

 

 

大好きだったけれど傷みが酷く、捨てようと思ったお洋服に付いていた飾りを切り取り、

ブローチを作り始める。

音楽を聴きながら。

 

 

 

♪ I Left My Heart

あーいいな〜

サンフランシスコには思い出はないけれど。

 

♪ Moon River

素敵だったあのシーン。

ティファニーの前でデニッシュ食べたい。

 

 

 

あ、糸が足りない!

う、針の穴が見えない!

 

 

 

それでもひとつ出来ました!

 

 

♪ Oh, Pretty Woman

わー何回観たろーあの映画。

ウキウキしちゃう。

 

 

この辺りでかなり気持ちが若返っている。

 

 

♪ Can't Help Falling in love

プレスリーの甘い囁きに痺れ

肩を揺らして遠い記憶を探し出す。

 

 

久しぶりに聴く曲に、セットで懐かしい人の面影がついてくる。

 

 

好きだった人。

死んだかそれとも生きてるか?

二度と会うこともなければ、もうどちらでもたいした変わりはしない。

 

 

 

 

そしてふたつめも完成!

 

 

 

好きだった歌。

時代を越えて海越えて。

JAZZから流行歌、演歌民謡クラシック。

 

 

津軽海峡渡ってみたり、昔の名前で出てみたり。

イスタンブールから飛んで帰って、三池の炭坑に月が出る。

 

 

 

 

 

 

 

思い出のメロディ。

♪ I Can't Stop Loving You

 

 

 

もう、どうにもとまらない!

 

 

 

夢の中のポチ

  • 2019.12.08 Sunday
  • 16:26

 

 

 ボッテガ・ヴェネタかエルメスか。

 

ブランド品にはご縁が薄い半生だったけれど、

そろそろちょっと品よくかっこ良く、背筋伸ばして歩きたい。

 

素敵なバックが欲しいなと、思う心に北国の冬。

トートバッグに雪が降る。

 

 

 

お気に入りのバックはこちら。

知る人ぞ知る、アルベロベロのブタさんの服。

ビーズの刺繍が可愛くて、捨てずに手縫いでリフォーム。

今年も活躍中。

 

 

 

 

 

 

1983年「ルイ・ヴィトン丸井今井札幌店」が誕生。

その頃のモノらしい。昭和にしたら58年、36年前である。

 

「わぁ可愛い! いいですねそのヴィトン」と言ったらくれた。

お客様からの頂き物。

 

 

 

 

 

あーいいバックが欲しいなーと思いながら、

火曜の夜のお楽しみ「まだ結婚できない男」というドラマを見、

うんうんそうそうと一人で納得して少し早いがお布団に入った。

 

しかしまだ頭の中は眠くないらしい。

思考が止まらない。

 

いつの間にか、さっきのドラマの中の登場人物になっていたりして、

カフェの片隅でコーヒーを飲みながら考え事してる。

 

あ、あの弁護士さんが持ってたバック、素敵だったな、どこのブランドだろう?

そんなこと、どうやって調べたらいいんだ?

と思いつつ、そのまんま「まだ結婚できない男、バック」で検索、布団の中で。

 

なんということでしょう!

まんま調べたらまんま出て来た。

ドラマ衣装のファッション情報などを発信しているサイトがあってビックリ。

今時のスマホは私の考えてることがわかるらしい。

 

探し当てたバックの写真はやっぱり素敵だった。

¥237,600!

ブランドの名は「TOD'S」お値段も素敵。

 

 

検索はエンジンがかかってしまって終われない。

 

ボッテガ・バック 

あ、これがいいと思ってみたら

¥685,300

 

エルメス・バーキン

色の種類がたくさんあって迷っちゃう。

シンプルなのを選んだら

¥2,227,000

 

一、十、百、千、万、十万・・・

布団の中で目が眩む。

 

それでもまだエンジンは止まらない。

 

皇室御用達

職人の手仕事による少量生産。

日本女性のための・・・

 

皇后陛下もお持ちかしら。

素敵!

 

でもきっとこちらも、一、十、百、千、万・・・

 

おっかなびっくりお値段見ると、万?

0は3個? 4個?

えーこんな素敵なバックがこのお値段?

 

眠くなってきた。

 

※残り僅か

そのひとことに

 

眠い。

 

0は数えた大丈夫、大丈夫。

 

眠い。

 

 

 

 

 

ポチ。

 

 

 

夢の中のポチが届いた。

 

あぁ、だめだ。

もったいなくて開けられない。

 

先にお風呂に入ってこよう。

 

 

 

 

 

そっと箱を開けると

一瞬で

しあわせ気分に包まれた。

 

皇室御用達 傳濱野さんのハンドバッグ。

 

 

 

 

 

思うことは実現し、

夢は叶うものなのだ。

 

夢を見よう、明日も。

 

 

 

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